お坊さんの仕事内容と1日の流れ

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お坊さんってお盆に来るか法事くらいしか会わないし普段、何してるんだろ?

周りに坊さんの知り合いがいる方は、多くないと思います。

実際に坊さんの仕事をしている頃、お会いするほとんどの方に
「お坊さんしてる人、初めて会ったから話聞くの新鮮!」

と言われることで溢れていました。

結論からお伝えすると

お仕事されている皆様と何も変わりません。

僕はお寺の生まれではないので、従業員の1人として勤めて来ました。
ありがたいことにヘッドハンティングが理由で数多くのお寺で勤めていた経験もあるもので、偏った情報でないことと思います。

このブログでは坊さんの仕事内容と1日の流れがわかります。

坊さんの仕事内容

仕事の概要

●法事や葬式

●お盆やお彼岸お彼岸の対応

●受付業務

●事務

●行事(イベント)の対応

●SNS運用

受付業務とか事務のお仕事もしてるならサラリーマンと変わらないですよね?

今や僕はスーツを着て出勤するようなこともあったので、言えることですが本当に変わりません。

法事や葬式、お盆やお彼岸の対応については「お坊さんの仕事」としてイメージを持たれている方が多いと思うので、このブログでは一部省略いたします。

具体的な仕事内容
①受付業務

飲食店などの接客業をイメージしてください。

服を買いに(見に来た)方に
「いらっしゃいませ」と声をかけるように、お参りくださったことにお礼をお伝えします。

京都の観光寺院に勤めていた頃は「拝観料」をお預かりしてチケットをお渡ししてました。
ラーメン店で注文と支払いをしてから席へ案内される、あのパターンに似ています。

そして当然、お客さまからの問い合わせもあります。
内容は法事の予約や、お寺までアクセス、営業時間などなど。
居酒屋の予約をしたり、都市部だと何番出口から出たら近いのか、聞くことあると思いますが、それに近い対応をします。

そのため、接客スキルや電話対応、ビジネスメールができるかが問われます。

②事務の仕事

受付業務と同じ括りになると思いますが、あえて章を分けました。

●顧客管理

●発送作業

●経理(最低1人は専属の担当として務めることが大半)

まず顧客管理についてです。

特に葬式の対応をした方は、注意深くする必要があります。

・亡くなった方の名前
・亡くなった日にち
・お通夜をした日にち
・四十九日や一周忌がいつになるか など
※四十九日や一周忌については「法事」についてのコラムで投稿します。

元々ある顧客リストに、これらの情報などを瞬時に更新する必要があります。
それをしないと喪主になる方への対応が遅れてしまいます。
遅れることで、ご遺族の皆様をはじめ、葬儀会社の方々にも迷惑がかかります。

ここではスケジュールを含めた管理能力が問われます。

次に発送作業についてです。

お店で何か買った時に会員カードを作ること、あると思います。
その会員になったお店から誕生日や年末年始の案内など、ハガキで届くように、お寺でもこの作業をします。

それ以外だと
「お盆のお経は8月13日10時頃に伺います」といった案内を送ります。
ただこの案内は管理が疎かになってしまうと
Aさん宅に10時に行く予定で送ったはずなのに14時に行く予定のBさん宅へ送ってしまった。
このミスは大変なことになりますよね。
なのでお寺によってはダブルチェックをしている所もあります。

経理の仕事に関しては経験したことがないので詳細をお伝えすることができません。すみません・・・。
ただ民間企業でよくある「経理部」のお仕事と何ら変わらないと聞いたことがあります。

③行事(イベント)の対応

お寺でイベントって、どういうこと?

お寺では年間行事と総称しているものがあります。

ライブなどのイベントでイメージしていただけると、わかりやすいと思います。

歌手の方が大きな会場でライブをする時
「誕生日ライブ」や「周年ライブ」などがあるように、お寺でも似たようなものがあります。

ただお寺の行事はハッキリお伝えするとライブのような楽しいものではありません笑

お寺を建てた方の誕生日や命日の他、お寺の歴史にとって重要な日に、外部から坊さんを読んで、普段の倍くらいの人数でお経を唱える。
これだけの話です。(そうでない行事も一部あります)

法事や葬式で坊さんのお経を聞いたことのある方にとって、ただ人数が増えただけの話と思っていただいて問題ありません。

ただお寺の歴史から見ると、とても重要な日であることは間違いありませんが、信仰心の強い方や歴史好きな方にとっては、その日に合わせてお参りすることをおすすめいたします。

この行事では会場の設営や前準備としての案内ハガキの発送などがあります。
内職や単発のアルバイトである設営業務をイメージしてもらえると、わかりやすいと思います。

SNS運用

例えば京都旅行。
行くところの営業時間をネット検索することって多いと思います。

飲食店や美術館のほか、行くところはお寺や神社だと思います。

・拝観料はいくらなのか
・最寄り駅はどこか
・旅行当日の営業時間

などを調べるかと思います。

この時、お寺の公式サイトから見ると思います。

ただお寺側(特に観光寺院)としては多くの方に来てもらう必要があります。

つまり集客を目的にSNSを運用する必要があります。

このSNS運用を趣味の延長線として発信しているお寺もあるそうですが、プロに依頼して発信しているお寺もあります。

ちなみに僕が観光寺院に勤めていた頃は、自分で勉強して運用していました。
その経験もあったからか、ありがたいことにSNS運用代行のお仕事をいただいております!

坊さんの1日

この章では僕が経験したことのあるお寺ごとに分けて紹介するとともに、修行中(学生時代)の1日についても紹介いたします。

Aのお寺での1日

5:00 起床、洗面と着替え
5:30 朝のお経(通称;朝勤)の準備
6:00 朝勤(チョウゴン)開始
7:30 朝食
8:00 電話番をしつつ事務作業
8:30 営業準備
9:00 営業開始
17:00 営業終了
お寺で住み込み生活をしているので閉め作業が終わり次第、自室へ戻り仕事終了。
宿直の対応がある日もあります。
その日は21時まで電話番しつつ事務作業があります。

このお寺では受付業務が主な仕事でした。

Bのお寺での1日

5:00 起床、洗面と着替え
5:30 朝のお経(通称;朝勤)の準備
6:00 朝勤(チョウゴン)開始
7:30 朝食
8:00 電話番をしつつ事務作業
8:30 営業準備
9:00 営業開始
17:00 営業終了

お通夜が入れば21時くらいまでは仕事になります。

このお寺では顧客管理を含めた、法事や葬式の対応が主な仕事でした。

Cのお寺での1日

5:00 起床、洗面と着替え
5:30 朝のお経(通称;朝勤)の準備
6:00 朝勤(チョウゴン)開始
7:30 朝食
8:00 電話番をしつつ事務作業
9:00 営業準備
10:00 営業開始
17:00 営業終了

このお寺では今までお伝えした仕事、一通りやりました。

3つのお寺での仕事で、共通すること

3つのお寺での1日についてお伝えしましたが、お分かりいただけたでしょうか?

どのお寺も場所が変わっただけです。

事務のお仕事を例にすると転職をしても会社ごとの就業開始、終了時間や、そもそもの勤務先が変わるだけで仕事内容に大差は、ないと思います。

電話やメール対応、WordやExcelを使って資料を作成する。
この基盤が変わらないように、お寺の業界でも同じことが言えます。

・法事や葬式でお経をあげる
・顧客管理でExcelを使う
・発送作業で印刷をしまくる

この基盤は変わりませんでした。

まとめ

飲食店で例えると

味はもちろん、店員さんの接客が良かったです!また行きたいと思いました!

そんな口コミがあるところに行きたいですよね!

言い換えると、飲食店の経営者や店長は、そういう人材を集めたいですよね!

お寺でも同じことが言えます。

僕も坊さんになる前に、また行きたいと思えるお寺もあれば、待合室などが汚くて「2度と行かない!」と思っているお寺もあります。

そして仕事をする上でミスはしたくないものです。

事務のお仕事をされている方がMicrosoftの資格を、スキルアップが理由で取得する方もいると思いますが、そこに強制力のないところがほとんどだと思います。

ちなみに僕は、「持っていて損はないだろう」と思い

●Microsoft Office Excelスペシャリスト

●高等学校教諭免許(宗教科目)

この資格を坊さん時代に持っていましたが、持っていないことで不利になることは一切ありませんし、持っていて有利になったこともなかったように思えます。

むしろ飲食店に行って

このお店の店員さん、何の資格持ってるんだろう?

なんて考えながら入店される方は、ほとんどいないと思います。

大事なのは味と、いかに気持ちのいい接客をしてくださったのか、店内は綺麗なのかなどが挙げられると思います。

日本人が古来から大事にしている「おもてなし」の精神がお寺の業界でも重要視されるのです。

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